現時点の技術力でやれそうなこと

2024-01-23(Tu)

ちょこちょこ公言しているのですがプログラミングが趣味です。

具体的には JavaScript のUIフレームワークを使ったWebアプリ開発(フロント)がやれます。(バックはコラッタくらいよわよわ)

徐々にできることが増えてきたので、なにかしら演劇界にコミットしたいなという、気持ちがだけがあり、最近うんうん考えています。

現時点の自分の技術力で、なんとか動くものを実装してリリース、ができそうなもの、興味のあるものをいくつか書いてみます!

戯曲のオーサリングツール

これは実は少しPoCを実装し始めていて、色々試している途中です。

個人的には一番興味のあるところです。

モチベーション

モチベーションとしては2点あって、まず1つ目は執筆環境の効率化です。

今劇作家のみなさん、それぞれ馴染みのツールで戯曲を書いていると思うんですが、WordとかGoogleドキュメントなどの無料で使える文書作成ツールを利用しているひとがほとんどだと思います。

ただこれらのツールは汎用的かつ高機能すぎて、本来戯曲を書くためには必要ない機能がほとんどじゃないでしょうか。

また、戯曲の形式として一般的な「<太字>役名<太字> /tab空け セリフ・・・」というフォーマットを表現するのにちまちま打鍵や設定が必要です。

スタイリングについては設定を駆使してある程度自動化できるかもしれませんが、リテラシーが必要ですし、個人的な好みではインターフェースとして開かれすぎているような気がします。

戯曲執筆に必要な最低限の機能は

  • 見出しによるレイヤーの表現(幕・場などのシーン構成)
  • 役名とセリフのスタイリング
  • セリフ行とト書き行の区別
  • エクスポート(PDF等)

くらいだと思っていて、これら最低限の機能を少ない打鍵数で効率的に操作できればいいんじゃないかなと思ったのが一つ。

もう一点はアクセシビリティです。

成果物(戯曲)をPDFなりHTMLなりにエクスポートしたときに、それがセマンティック(意味論的に正しい)な文書になっているかはアクセシビリティに大きく関わります。

例えば、幕と場の構成が適切な見出しレベルで表現され、セリフ行では役名とセリフが区別され、またセリフ行とト書き行が区別されているかどうか。

これらがデータとして機械的に区別できる(マシンリーダブルである)と、音声読み上げでの体験向上が期待できたり、サードパーティツールのソースとして2次利用する幅も広がります。AIに食わせるデータとしても有用になり得ます、たぶん。

Wordなどで単に改行と空白だけで表現されていたり、シーンタイトルが見出しではなく単に文字幅を太くしただけだったりすると、人間の目ではその構成が推論できますが機械から見ると単なる一つの巨大な文章としか認識できなくなってしまいます。

個人的にはWebアクセシビリティに関心があって、こういう部分が改善されるとよいよなあと思ったりしています。

既存の解決策

Wordをゴリゴリにカスタマイズして解決いるひともいるかもしれません。

ただやはりリテラシーが必要ですし、どのようにカスタマイズするか幅がありすぎて、意味論的に誤ったカスタマイズもまかり通ってしまうので個人的にはうーんという感じです。ツールさえあれば…と。

あとはカゲヤマさんが以前ご自身の媒体で書かれていたマークダウンエディタを活用する方法。

「ありふれた演劇について・番外編1」|カゲヤマ気象台

こっちのほうがより良いし、既存の解決策としては一番期待できる方法だと思いました。

マークダウンではなく専用ツールがあれば更によいモチベとしては、マークダウンは優れた解決作ですが下記のような課題もあると思っていて、

  • マークダウンも、ただそれでベタ書きするだけではだめで、セマンティクスを意識する必要がある
  • マークダウンでセマンティクスを意識するには、それが最終的にHTMLにレンダリングされるという技術的想像力をある程度持っている必要がある
  • マークダウンの既定のレンダリングでは、戯曲のマークアップにややそぐわないところがあって、レンダラーに干渉しなくてはいけない(するにはめちゃくちゃリテラシーがいる)

3点目は既存ツールのプラグインなど開発して解決するかもしれませんが、やはりセマンティクスをマークダウンで表現するための教育をユーザーに行うのはちょっとハードルたかいなというのもあり、そのへん含めて解決するにはやはりGUIベースでユーザーは何も知らなくてもそのようになる専用ツールが必要なんじゃないかと。

課題

このプロダクトほんとに作るとなったらの課題としては何より、「僕自身劇作家ではない」というのが致命的です笑

やはり自分が使うようなものではないと、なかなかいいものはできないのかなあという。

そして僕が抱いている上記の課題感とかも、劇作家の人たちにとっては特に感じていなかったり余計なお世話だというものもあるかもで、その辺が一番ネック。

効率面で価値を提供できたら一考の余地があるかもしれませんが、セマンティクスが〜とか言っても、使い慣れた道具を手放すことにはならないんじゃないかとも思います。

あと技術的には、永続化方法として行ごとにデータとして保持する場合パフォを損ねずかつ欠損を生まないような裏側の構成を構築するためのノウハウがないのでそこの調査に時間がかかりそうというのと、UIとしては、縦書きにした場合PDF作成のライブラリがぶっこわれる(jsPDFで試した結果)というのがあり、どちらもそこそこやりごたえがありそうという点ですかね。(ただこれは楽しんで取り組める課題)

票券管理システム

戯曲のオーサリングツールは個人の興味先行でしたが、市場的にニーズがあるのはこっち?

モチベーション

これはでもあんまり課題ベースのモチベはなくて、単にイケてるUIのシステムほしいっていうのと、無料のサービス落ちがちというのを見てサーバレス構成でやれれば落ちないんじゃない?という安直な思いと。

あとユーザーとしてはやっぱりこれも既存のものは多機能で、もっとシンプルにゲストでサクッと予約だけをしたいんだよ、というのが個人的にはあったりする。

あとは、求められてることとしてSMSによる認証が大きいのかなと思っていて、そのへん自分でもなんとかやれそうという思いがあり少し興味がある。

既存の解決策

これはたくさんある。

だから別に個人開発で作らなくても…という思いが強い。

課題

SMS認証入れる場合どうしてもコストが発生するので有料サービスになるんだろうけど、票券管理システムにお金を使えるカンパニーはもっと信頼できる大手のシステムを使うだろうし、票券管理システムに払えるお金はない!というカンパニーは多少安定性や認証機能を犠牲にしても無料のサービスを使うだろうということで、適切な価格設定やマネタイズが僕にはよくわからない。

PassKetというサービスを開発されていた方がいたけどクローズされていたし、やはり個人でこういうサービス運用するのは大変なんだろうなとも思う。(コロナも直撃したようでそちらの影響も大きそうだが)

あとやっぱ、個人的には票券管理の機能しか持たないでほしいけど、それであれば既存の選択肢がたくさんあるわけで、やっぱり口コミやアーカイブとしてのプラットフォーム足りうることが求められるのかなとも思って、そうなるとちょっと機能多すぎて大変だなあという思い。

フライヤーを見るアプリ

どんどんプロダクトとしての解像度が荒くなっているような気がする笑

モチベーション

劇場で大量に配布されるチラシ束だが、もちろん、大切に持って帰り、家で一枚一枚めくって予定を立てる人も多くおられる思う。

しかしやっぱり席に置いていくひとや、結果的にごそっと捨てたりというひとはあまりに多いんじゃないか。これは僕もそう。

持って帰りはするがカバンに何束も押し込まれていて、最終的に結局捨てる、というひともいると思う。

データとしてフライヤーをコレクションできて、「受け取る」「仕分ける」というアクションが体験として保持されていれば、割りと大きな部分代替できるのではないかという思いが個人的には結構あって、かつてチラシステージというのがあったらしいがそのような物があればいいのになと思った。

紙の削減、カンパニーの印刷コストの削減、カンパニーや拠点職員の折込コストの削減、が大きい。

1点目は環境への配慮、2点目は若手カンパニーにとっては確かな重量感のある費用の削減、3点目はカンパニーや拠点職員がよりクリエイティブな作業に専念するためのコスト削減。

既存の解決策

おチラシさんが個人的には一番マッチしている。がやっぱり物理じゃなくて個人的にはデータで身軽に扱いたい。

あと劇場で紙チラシを削減・なくしたという事例とかあったら知りたい。

課題

チラシステージ結構どんぴしゃだったけどなくなったということは、なにかコストや需要的に?問題があるのか。

物理フライヤーとの共存や塩梅が難しいかも知れない。

あと実際ほんとにやるとなったら、フライヤーデータはどこから集める?というのがあって、結局カンパニーなどに投稿してもらう感じになるような気がして、ある程度の規模で普及しないと誰にとってもうーんなものになってしまう点。(そういう営業が僕が苦手という点)

拠点から配布されるのもいいなと思ったりしてる(劇場に行くと、データで受け取れる)が、やはり営業が苦手という点。

技術的には画像周りの最適化とストレージのノウハウが不足している点。バックエンドがよわよわ。

おわりに

逆に、ほんとに上記のようなもの作れんだったらあれを作って欲しい、みたいなことがあればぜひ教えてほしいです。

あと上記のものについても、僕が作るとか関係なく、もし新しくプロダクトが生まれるとしたらこういうのを期待する、みたいのがあれば教えてほしいです!

あとあと、演劇関連の開発仕事あったらめちゃくちゃ興味あるのでぜひよろしくお願いします🙏