サンタクロース会議に出演してました
2021年度の 『サンタクロース会議』 に子どもC役で出演しました。
豊岡では市民会館、永楽館、江原河畔劇場の3か所で市内の小学2年生を対象に行いました。
また、神奈川の橋本では杜のホールはしもとで一般の4歳~小学生の観客にむけて上演しました。
この演目は毎年この時期に行われていて、時にはツアーで地方公演も行ったりしています。
実は9年前無隣館受験の際に「青年団の作品を見たことがあること」という条件があり、当時たまたまそのときやっていたサンタクロース会議を見に行ったということがあり、何気に初青年団の演目でプチ感慨もありました。
(記憶と情報を総合すると当時見たのは「アダルト編」だったみたい。伊藤先輩の「メリィーックリスマスッッ‼」という最後のセリフは今も頭にこびりついてます笑 最近はやってないらしいけどいつかまたやるのかなあ)
そこに子どもCという役で参加しました。
この演目自体はかなり歴史が長くて、ほとんどのメンバーは10年近くこれをやってるようなベテランなのですが、僕は初めて参加させてもらいました。
上演の形式について、御覧になったことがないとよくわからないかもしれないですが、舞台上にマットを敷いて客席としてそこに子どもたちに座ってもらい、
子どもたちには実際に上演中行われる "会議" に参加してもらいながら、質疑応答とか交えつつ、 interactive に劇が進んでいきます。
その中で子ども役(A~C)は子ども席に一緒に交じって、騒ぐ子やトイレに行きたくなった子のケアをしつつ進行に必要な楔の質問を投げ込んだりと、かなりタスクフルな感じでした。
最初は、セリフもほとんど「サッカーボール!🤪」くらいしかないし、ただいればいいのかなとかなり甘く考えていたのですが、
実際は地味に忙しくて、子ども席の雰囲気を気にしつつ、見えなさそうにしてる子はいないか、トイレ我慢してそうな子はいないか、
泣いている子はいないか(たまに大声にびっくりして泣いちゃう🥲)、言いたいことがありそうだけど手を挙げづらくしてる子に促したり、
めっちゃ大変でした笑
ただその分、一番近くで子どもたちに触れ合えるので、笑かしてもらったり、無邪気な言葉に感動したり、柔軟な発想に驚いたり、心がかなり洗われました。
小学校公演と一般公演
豊岡では何校かあるいは何クラスかがまとまって上演に参加しました。
一方杜のホールはしもとで行われた一般公演では、普通にチケットを予約してきてくださった一般のお客様(親子)が観客になります。
はじめてだったので両者の違いを最初はうまくイメージできていなかったのですが、やってみると本当に毛色が違って、まったく別の居方が必要だなあと感じました。
小学校公演では、つまりクラス単位でやってくるので、周りにいる面々は友達だし入場から結構にぎやか。
一人が反応すればそれに呼応して周りに雰囲気ができていく。それが広がって容易に客席全体に雰囲気ができあがっていたような気がします。
それが盛り上がりすぎてちょっと収拾に困る笑、ということは稀にありつつも、雰囲気作りという部分には困らなかったんじゃないかなと思います。
子ども席でも、客入れ時に(我々が紛れ込む)最後列のほうの子と楽しく話していると、自然とそれが前の方にも伝播していく感じがありました。
クラスによってはおしゃべりや座り方を注意しあう自浄作用があったりして、楽させてもらっていたなと笑
一方一般公演の場合は、客席の子どもたちは互いに知らない子たちです。
兄弟とか友達同士で参加という2~3人の組がパラパラいて、あとは家の人と一緒に来たソロ参加者がほとんどみたいな。
なので必然的に、小学校公演に比べて雰囲気の伝播の速度がかなり遅くなります。
客入れ時に一部の子と交流してもそれがあんまり周りに広がらないんですよね。
開演してガミガミ博士や安岡さんにノれれば自然と没入してくれたりするんですが、それでも小学校公演時とは手触りが違って、
それが1ステ目などは地味に焦ってしまって・・・。
はしもとでは2ステだったので、4~5ステあればそのあたりもっとうまくできたなという反省点もありつつ、ただ2ステ目は違いを楽しみつつ多少改善できたかなと思います。
楽しかった
結果的に、かなり楽しかったです。
自分が演技うまくなりたいとか、評価されている劇団の公演に出てみたいとか、そういう自分向けの思いみたいのしかあんまりなかったのですが、
演劇でできることはもっと広くて、色んな可能性があると思わされました。
サンタクロース会議の時間は、本当に文字通り種を蒔いているような感覚で、思考が未来に向かってるなという感じがかなりポジティブでした。
自分の内面と向き合う「演技」を使ってこんなことができるんだと、意外と初めて実感したような気がします。
もちろん、何人かは、上演中「くだらねーな」と思っていたかもしれないし、この先の人生で一度も思い出されない可能性の方が高いけど、
あそこにいた何人かが、この上演をきっかけに演劇に興味を持ってくれたり、ラストシーンについて独自の考察を深めてくれたりとか、
今後の人生のどっかで、あの時間に感じた何かしらのエッセンスが道しるべになったりとか、そんなことになれば冥利に尽きるなという、感じ。
別に演劇に関係なく、まだ柔らかくて可能性にあふれた脳みそのどこかに、この上演を経てのしわが1本でも刻まれると嬉しい。という感じ。
まあただもちろん、演劇の持つ力が誰かにとっての毒になることとか、大人の小さな振る舞いひとつがその子の人生の足を引っ張ったりとか、
そういう可能性とも常に隣り合わせで、責任のある仕事だなと思った。
上演のなかであっちを立てればこっちが立たずということも色々あって。
楽しさに紛れてるそういう2面性については、忘れがちになってしまうけど、気をつけなきゃいけないなとも強く思います。
サンタクロース会議は今後も続いていくと思うけど、時代に合わせて変化していく柔軟性を保ちつつ、
誠意をもって子どもたちと向き合えれば、本当に素晴らしい演目だと感じました。
豊岡では市役所の皆様も一緒になって演目の未来について考えていただいたり、はしもとでもこの演目の意義について深く賛同して頂けているようでした。
周りの皆さんと一緒に作品を育んでいけるというのは、とっても有難くて、嬉しかったです。ありがとうございました。
また上演があった際は、なにとぞ宜しくお願い致します!